アップサイクルって?

初めてのアップサイクル

今から思えば、あの頃が私にとって初めてのアップサイクルの経験でした。まだ小学生の頃作ることが好きで、学校から帰るといつも何かを作っていました。そしてまた母も同じく、いつも何かを作っていました。というか、母の影響で自然と私も作ることが好きになり、作る事を仕事にするまでになったわけですが。私の仕事の話はまたゆっくりお話しするとして。

パートから帰った母は、食事の後によく夜遅くまで内職をしていました。それを手伝っていたんですよね。成人式の日に、振袖の上に羽織る白い羽の付いたふわふわのショール、ご存じの方も多いと思います。そのショールを母は内職で作っていました。あの白い羽を全て手で縫い付けていって、裏うちをして飾りのブレードをつけて仕上げていくのが仕事でした。1メーターほどの長さの羽をショールに手で縫い付けていくのですが、その羽つけをよく手伝っていました。当時小学生でした。その羽、水鳥の羽なのですが、何本かショールを作っていくうちに、少しづつ余ってくるんですよね。それを集めて私の洋服に縫い付けてくれていました。白いふわふわの羽をワンピースの裾とか、白いコートの手首や襟につけてくれて、洋服が見違えるほど可愛くなるんです。そしてオリジナルの誰も着ていない自慢の洋服に生まれ変わります。

私の成人式の時には、白い羽のショールはつけませんでした、もう見飽きていましたから(笑)当時、振袖姿の8割の人達は白い水鳥の羽のショールをつけていましたが、私には黒いミンクのショールを母が奮発して買ってくれました。母も見飽きていたし、毎日自分が作っていたものを娘に着けさせたくなかったのでしょう。そのミンクのショールは、今でも大切に持っていて思い出の品です。母もそれを見て、こんな高いものよく買ったな。。。と笑ってよく話していました。今から思えば内職した賃金が吹っ飛ぶのに。